VIA Railビジネスクラスで行くモントリオール/でもトロントの入国審査で引っかかった
往路のトロントからハバナはエアカナダ利用となり、キャセイがT3に到着し、エアカナダがT1のため一旦入国しなければならない。
トロントの入国審査では、トランスファーである旨等を伝えたところ、「良い旅を!」と、あっさり。
しかし、復路はハバナからトロントへ飛び、トロントからビア鉄道でモントリオールを目指しそこで1泊後、翌日は同じくビア鉄道でトロントに帰り、CXで帰国する予定となっているが、(1次)入国審査で引っかかった。
「Why カナダに来た?」
VIA Railでモントリオールに行くためさ。
「どのくらい滞在する?」
1泊だよ。
提出した税関申告書にピンクのラインマーカーで「Z」を大きく記入し、さらに3度もなぞり書きしことさら目立つようにされてしまった。
これは噂に聞く2次審査送りの暗号だなと、覚悟を決める。
写真は1回目の入国直後に休憩した空港内のカフェ。
薄暗い2次審査室にはすでに10人ほどの旅人が列をなしていた。
さらに見渡すと、かぎ型のカウンターには4~5人ほどの入国審査官がそれぞれ席につき、PCで対象者を入念に確認中であった。
30分ほど待って「次っ」
いそいそとカウンターの前に行く。
(愛想よく)ヘロー!
「パスポートとEチケット、ホテルバウチャーを出せ」
「なぜ1泊なんだ?」
「なぜモントリオールなんだ?」
この質問を3度も繰り返される。
「なぜ鉄道でモントリオールへ行くのだ?」
私の趣味は鉄道に乗ることだ。
「わが国の鉄道より、シャンハイ線の方が良いぞ」
上海線ってなんだ?
自分のPCで新幹線とVIA Railの車両の写真を検索し、吾輩に見せてくる。
「列車は遅いので自分はいつも寝ているぞ」と、ジェスチャーを交えて変わったことを言う。
はははキミはおもしろい奴だなー。
突然マジになり「なぜモントリオールだ?」「誰かに会うのか?」
話は平行線をたどるばかりのころ、「あの席にかけて待っていてくれ」
言われた通りに席について待つ。
この間先に審査が終わり解放された南米人ぽい人が吾輩の顔を心配そうにのぞき込むので、苦笑してやったところ、彼も頑張れよという表情をしてくれる。
「〇〇〇」と大声で吾輩の名前を連呼しているので、返事をすると「なんでもない、もう少し待っててくれ」
吾輩の名をPCに入力し、過去の履歴を調査しているようである。
もtろん何も出てくるはずがない。
すると、3人が集まってきて会議が始まった。
長くなるので以下省略。
結局3次審査送りとなる。
防弾チョッキに身を固めた3人が吾輩を挟むようにし、さらに別室へ連行する。
そこでは荷物検査係が2人いて、その係員の元へ荷物を持って行くように命令される。
一緒に来た3人はチョッと離れたところで待機。
係が早口のネイティブ英語でなにか聴いている。
よく分からないのでゆっくり頼む。
「バッグに全ての荷物をインサートしたのは自分だな?」
そういうことか。無性に腹が立ってきた。
そうだ全部おれが入れた。と、睨みつけながら大声で言ってやった。
係のボスが部下に「入念に全部調べろ」
勝手に次から次と吾輩の荷物を出し、めぼしいモノを質問してくる。
傑作だったのは、TOTOの携帯トイレシャワーを袋から出して「これは何だ?」
キミはよくそんなの物をさわれるな。と思いながら使用方法を説明。
ここから水を入れて・・「うむうむ」
ノズルを引き出し・・・・「うむうむ」
ケツに当ててシャワーだ。
一同・・・・・・・・「おおー」
誇張ではない。待機中の3人も入れて5人の男が本当に感心しているのだ。
「Okey!」
ボスが勝手に吾輩のカメラをいじりだした。
大丈夫かなと思ったが、熱心にスクリーンを見ているので操作はできるのだろう。
全ての写真を検閲したボスは、部下に「カメラを返せ」と。
部下が常備薬を発見した。
得意そうな顔で「ボス、ありましたよ」
待機中の3人も身を乗り出してくる。
ところがボスはろくに確認もせずに「それは薬だ。」
吾輩のすべての写真をみたボスは、吾輩がただの旅行者だと確信したのだろう。
大きな声で「Okey」と、ボスが審査の終了宣言をした。
パスポートに入国印が押され、2時間に渡る審査からやっと解放された瞬間だった。
写真は1回目の入国直後に休憩した空港内のカフェ。
想い出多きトロント空港T1を後にし、開業間もないUP Expressを利用してユニオンステーションへ向かう。
標識の「TRAINS」という表示に従って進んで行くとやがてホームに出る。
乗車券は断然PRESTOカードがお得という情報を得ていたので、ホーム最奥のPRESTOカード売り場を目指す。
入手した限定「LIMITED EDITION」のPRESTOカード。
通常の乗車券は片道$27.5で往復$55である。
一方、PRESTOカードの方は、カード代が$6、片道$19で、カード代込み往復運賃が$44となる。
つまり、$11もお得というわけで断然PRESTOカードが有利ということになる。
吾輩は空港で片道だけチャージし、帰路もまたユニオン駅で片道チャージを申し出たが結果は同じである。
「乗車する際はカードをタップポイントにタッチして下さいね。」と、優しく教えてもらえる。
車両は日本車両が製造したディーゼルカーである。
今時ディーゼルカーというところが、カナダは大いなる田舎たるゆえんだろう。
ユニオンステーションに到着後、Eチケットを提示しラウンジに入場する。
係から「ボーディングは10分後になります。」
今さらながら、トロントの入国審査の2時間のロスは、危うく列車に乗り遅れる要因となるところだった。
ボーディングタイムにコンコースに行ってみると、エコノミーの乗客が長い列を作っている。
ビジネスクラスの客は、係の白人女性が入場口までエスコートしてくれる。
優先乗車の結果、吾輩が一番乗りであった。
特急コリドー66号は、VIA鉄道(VIA Rail Canada)がカナダ東部を運行する都市間特急列車である。
なお、機関車は、「カナダはおおいなる田舎」を象徴し、これまたディーゼル機関車である。
乗車口はプラットホームから見上げる位置にあり、反ユニバーサルなのだが、「カナダはおおいなる田舎」ということで。
ビジネスクラスは1号車に位置し、始発駅ユニオンステーションから乗車する際の便宜を図っている。
電光表示はトレインN0,66の1号車という意味である。
奥はギャレーとなっている。
座席は1:2で、革張りのシートが落ち着いたイメージを演出している。
両端には向かい掛け4人席もある。
吾輩のシートは1人掛けだった。
ウエルカムドリンクスはビーアを。
コリドー66号がゆっくり動き出したぞ。
モントリオールまで5時間ほどの旅が始まった。
今日はここまでが長かったなー。
トロント・ユニオンステイションを15時15分に出発したNO.66は、ほどなく原野に差し掛かる。
やがて、オンタリオ湖と平行に走行することになるが、このあたりが見せ場だろう。
風光明美な景色を見ながら早めのディナーをお召し上がりください。
選択料理は魚か肉で、吾輩は肉にした。
柔らかいビーフだった。ワインは赤。
広大な農地にカナダを感じ、心が満たされる。
家は農地と農地の間に小さな集落があるか、あるいは原野の中にポツネント1軒家があったりして、ますます「大いなる田舎カナダ」を実感する。
その後NO.66は、定刻通り20時12分にモントリオール駅に到着。
荷物もあったので地下鉄をあきらめてタクシーで19世紀に建てられたLホテルを目指す。
ウエルカムドリンクスは、よく冷えたレモン水。
こじんまりとした部屋で荷をほどく。
入浴後は、1階にあるバーへ行ってみよう。
ボーイにお勧めのビルを聴くと、「スパイーシー派orスイート派」と聞かれ、「スパイシー」とピーナツを頼む。
アメリカから1人で来た客(左)と、笑顔の絶えないボーイと12時まで歓談することになる。
アメリカ人はバンカーで4週間の夏休み中。
彼は、米国北部に住んでおり、モントリオールには自分のルーツであるフランスを感じている様子。
彼ら同士はフランス語で、吾輩とは英語で会話してくれ、互いにファーストネームで呼び合う仲になれた。
by sekaihahiroi | 2015-08-27 17:36 | canada