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万年筆の趣味を考える(ビンテージという名の中古万年筆)

20数年前頃から、ライカM3などの中古レンジファインダーカメラがブームとなり、当時の現行機であるライカM6の新品をはるかに上回る価格で取引されるモノまで出て、吾輩は驚いた記憶がある。

吾輩は中古カメラには興味が無く、手を出すようなことはなかったが、マニュアの中には相当な財をつぎ込んだ方もいると聞いている。

この中古カメラブームもデジタルカメラの時代が到来すると同時くらいに下火になり、大枚をだして50年前の中古カメラを買おうとする愚挙は聞かれなくなった。


愚挙とあえて書いたのには、実は深い吾輩の洞察力が関係しているわけである。
近い将来デジタルが銀縁に取って代わることは、国民のだれもが感じ始めるちょっと前に、中古カメラ業界と一部のメディアが結託して、わが国に中古カメラブームを引き起こしたのである。
その結果乗せられたマニュアは、市場価値の名のもとにシャッターが狂っているような骨董品を高値で購入していったのである。


今、万年筆の世界でもビンテージという中古万年筆が静かに独り歩きをしだしており、かつての中古カメラの状況と似たような様相を呈してきている。

そもそも万年筆は、書き癖が付くので長時間他人には貸すなというセオリーがあるのにもかかわらず、数十年前に他人が散々使い込み、飴色に変色したような万年筆を嬉々としてありがたく買い求めるマニュアがかなりの数存在しているのである。


ここにも一部のメディアと中古万年筆業界が結託し、万年筆の雑誌で特集などを組み、あわれな消費者を洗脳している構図が読みとれるのである。
さらに、20数年前の中古カメラブームの時よりも厄介なことに、大枚を出して購入した一部のマニュアが、これ見よがしに自分のブログで自慢する傾向があるので、価値判断の希薄な人間は相乗効果で、その中古万年筆に飛びつくという新たな負の構図も見られるようになってきている。

by sekaihahiroi | 2013-10-07 11:21 | 万年筆