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2013年 11月 02日 ( 1 )

哀れな官吏

新幹線通勤をしている棒官吏は、先日財布をなくしたので家に帰れなくなった。

深夜、財布が無いことに気づいた棒官吏は、近所の同僚に電話を架けるが誰も出てくれない。
やむを得ず、役所の2階のピロティーに無断で侵入し、かき集めた段ボールを布団代わりにして凍えながら一夜を明かした。


俺に電話してくれれば良かったのに。と、本気で言ったが、それは絶対あり得ない。
なぜなら公務員倫理規程に抵触するからだ。





酒場を徘徊していると、知った顔の官吏に出会うことがある。
たいていの官吏は、一瞬にして酔いがさめたような表情をするからおもしろい。





棒官吏と出会った吾輩は、ごちそうするからキレイな娘のいる店に一緒にどうだ。と誘う。
すると、酔った頭を高速回転させて表情をこわばらせながら「明日は早いですから」と言い訳をする。


何が早いだこの野郎もう11時だぞ。
いいから俺に付き合えと、腕を掴む。
すると泣きそうな顔をしながら腕を振り払って逃げ出す。


吾輩の哄笑に見送られながら小走りに駆けて行く哀れな棒官吏に対し、明日は役所でからかってやろうと、ひとりほくそ笑む。



その後、棒官吏が過酷な一夜を体験することになるとは、その時点では互いに夢にも思わなかったのである。

by sekaihahiroi | 2013-11-02 08:06 | アニョーバの世界